【 脊髄小脳変性症 】とは
【 脊髄小脳変性症 】は、歩行時のふらつきや、手の震え、ろれつが回らない等を症状とする神経の病気です。動かすことは出来るのに、力の調整がうまくいかず上手に動かすことが出来ないという運動失調という症状が特徴です。症状の程度はさまざまですが、徐々に症状が進行する進行性の疾患です。
運動失調により立ち上がりや歩行が不安定になり、日常生活に支障が生じるため、立ち上がりや歩行練習を行います。力の出し方の調節がうまくできず、バランスを崩しやすくなるため、手すりや歩行器などを使用して立ち上がり練習や歩行練習を行うと効果的です。
症状が進行してくると、筋緊張の亢進や関節可動域の低下が生じてきます。また自分で起き上がったり、坐位をとることが難しくなってきます。このような時期では、できるだけ関節拘縮を予防し、筋緊張を緩和するためにベッド上でのポジショニングを調整していきます。また褥瘡を予防するためにマットレスの種類を調整していきます。
嚥下機能が低下してくると、誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、口腔機能を維持するための口腔体操や口腔ケアを入念に行います。また呼吸機能の維持のために体位ドレナージや呼吸介助、胸郭の可動性の改善などの呼吸リハビリテーションを行います。この時期には可能な限り坐位をとり離床を促していくようにアプローチしていきます。坐位を取ることで起立性低血圧を予防し、肺に溜まっている痰の移動させ、排痰を促していきます。
脊髄小脳変性症 の方の訪問看護・リハビリテーション
エンパワーライフ訪問看護リハビリテーションでは、無理に抱えない介護を推奨しております。移乗用のリフトを使用したり、スライディングシート、グローブなどを使用して、無理な力を使わず、介護することが可能です。無理に抱えないことで、不要な緊張による筋緊張の亢進や関節拘縮の悪化を防ぎ、介助者の負担を軽減し、腰痛のリスクを軽減することが可能です。
嚥下機能が低下してくると経口から栄養の摂取が難しくなってきます。嚥下機能に合わせた栄養補助食品の提案をさせていただきます。また胃瘻の増設などによる経管栄養に移行するかどうかの難しい選択する時期でもあります。ご利用者さま、ご家族さまとコミュニケーションを取り、後悔のない選択をする支援をさせていただきます。
脊髄小脳変性症は遺伝により小児期に発症する場合があります。その場合は成長段階に合わせて、専門の医療機関の指導のもとで在宅でのリハビリテーションを行っていきます。